瓔珞修理
本堂内陣のお荘厳、輪灯の上の瓔珞。
(輪灯の上に瓔珞がセットになっているお荘厳は東本願寺の特徴です)
一部外れていた所が気になっていました。
仏具屋さんに尋ねると、もう職人さんが居なくて中国まで送ることになるそう。
「教えてあげるから、自分で直してみやぁ〜」(名古屋弁)と!
意を決し瓔珞の一列を外して、恐々と部品をバラし
元通りに直径2mmの玉や飾りを繋いでいく。
書けば二行ですが、それはもう試行錯誤の連続です。
なんとか一列できた所で、他の列にも取れている所を発見('Д')
もう、左右の瓔珞すべての修繕に挑む覚悟を決めました!
ビーズ作家の友人に助けを求め、細かな始末や道具を教えてもらい
法務の合間に本堂の片隅で瓔珞に向き合う数ヶ月・・・。
黙々と作業していると
王妃の象徴である瓔珞を投げ捨て、
お釈迦さまに愚痴と怒りと恨みをぶつけた韋提希夫人に
溺れたように彷徨う私が重なります。
(とても悲しい出来事があったばかり)
「迷っても立ち止まっても道の上」という師の言葉に励まされて
背中を丸め、黒ずんだ手で瓔珞を触っている時間は
ちっぽけな私に、仏さまから差し向けられた時間だったのでしょう。
瓔珞修繕、ついに完了しました!!
木綿糸に代わってコーティングワイヤーで仕上げたので
200年は大丈夫ではないかと思います。